異業種交流会でキャリアを切り拓く
「わたしの働き方、今のままでいいんだろうか」
ふと自分のキャリアを振り返ったとき、同じ職場・同じ業界の中で答えを求めてもなかなか難しいものです。そんなとき、普段仕事では関わらない人との出会いが、思わぬヒントをもらえることがあります。
そこで、おすすめしたいのが「異業種交流会」です。
なぜ異業種の人と話すとキャリアが拓けるのか?
異業種交流会には、営業、飲食、技術職、医療、農業など、さまざまな仕事をしている人が集まります。自分とは全然違う価値観や働き方を知って、「そんな考え方もあるんだ」と驚かされることも多いです。
たとえば、事務職の人が、農業に取り組む若者と話しているうちに、「自分で考えて動く働き方」に惹かれ、その後、地域活動に参加するようになったということもあるでしょう。異なる世界にいる人から話を聞いて、自分の中に眠っていた「本当はやってみたいこと」に気づくことがあるかもしれません。
参加する前には、少しだけ準備を
異業種交流会に行くからには、何か目的を持っておくといいでしょう。
「新しい視点に触れたい」「今の自分の働き方を見直したい」「将来の選択肢を増やしたい」——どんな小さな目的でもかまいません。
また、自分の仕事や興味について簡単に話せるようにしておくと、会話もなめらかになります。たとえば「住宅関係の営業をしています。最近は、お客さまとの信頼づくりや、もっと伝わる話し方について関心があります。」といった形が伝わりやすく、自分の印象を残すきっかけになります。
得られるものはたくさんある
・視野が広がる
他業界の人の働き方や課題を聞いて、自分の仕事や考え方について、ちょっと立ち止まって客観的に見るきっかけになります。
・自分の強みや得意なことに気づける
「そんなことができるんですね」「それ、役立ちそうですね」と言われて、自分の強みが見えてくることもあります。
・思いがけない仕事の話につながることも
話がはずめば、何かを一緒にやってみないかと声をかけられることもあるかもしれません。新しいキャリアが開ける瞬間です。
上手く活用するために気をつけたいこと
異業種交流会を「行ってよかった」と思える場にするために、少しだけ意識することがあります。
・会話のキャッチボールを大切にする
相手の話を聞いて「そうなんですね」で終わらせず、「いいですね、自分の仕事でも活かせそうです」と一言伝えることで、会話も深まり、自分の理解も深まります。
・自分の話ばかりに夢中にならないようにする
つい熱が入りすぎると、つい自分の仕事や悩みの話ばかりしてしまいがちです。相手の話にも耳を傾けることで、信頼関係が生まれます。
・出会いを大切に育てる
せっかく「いい出会いだったな」と思ってもその場で終わりにしてしまうと、次につながりません。感じのよかった人には後日一言「またお話したいです」とお礼の連絡をしてみましょう。次のご縁につながるかもしれません。
・一歩外へ出ることで見えてくること
異業種交流会は、名刺交換するだけの場ではなく、世界を広げるきっかけになります。
「話すこと、聞くことを通して自分を広げる場」になれば、将来の方向性や小さな仕事のヒントが自然と見つかります。 今の自分に少しでも迷いを感じているなら、まずは気軽に一歩、外の世界へ出てみてください。思いがけない人との出会いや会話が、新しい自分の道標になるかもしれません。
(投稿者:弁護士 細江智洋)